Interview #08
 
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Q. 中央官庁とのお付き合い、どんな苦労がありますか?

―里美さんのお仕事は、役所との、中央官庁とのお付き合いをせざるを得ないというか、その辺でいろんなご苦労があると思うんですが。

中野:良かれと思ってつくられた事業であっても、現場が見えていないと、こういうギャップを生むんだなということの連続です。組織人としての立場の前に、個人としてどう考えて、どうそれに対していくのかという思考で、仕事に取り組むべきじゃないかと思うんです。
震災直後は、行政側でもそうした個人としての考えや想いに基づいた判断が優先されることも多く、事業のスピードは今よりも速かったと聞きます。しかしながら、震災から時間が経ってしまうと、ときどき、そうじゃない状況に当たってしまうこともあって。

―そうでしょうね。どんなことが大変ですか?

写真:中野さん

中野:いろいろなことがありますが、国の事業というのは税金で運営されていますから、最後にはリスク回避のために、もう不要なんじゃないかと思えるほどの書類作成を負わされることが多いです。

―中野さんたちの起業支援事業は、1件あたりの金額が小さくて、件数が多いから、どれだけ大変だろうと思いますね。

中野:そうですね、大変です。大変なんですけど、ここで夜まで電気つけて仕事をしていると、この事業によってつながった人たちが、一緒に陣中見舞いに来てくれたりするんですよね。差し入れをもって。そういう新たな関係を高田で築けたことが、ほんとに嬉しいんです。

―役所関係の場合だと、大きいプロジェクトを1つしたほうが楽なのに、その中で、小さいのをサポートしていくって、すごく大変で重要なことだと思う。
私も、フェアトレードをやっていますけど、事業を大きくしたくないのね。自分たちが小さくないと、小規模な人と付き合えないんです。サイズが違って。だって、100億の売り上げがある会社が、ボンと1つあるよりは、1億の売り上げの会社が100あるほうがいいと思いますもの。

写真:土屋さん

中野:そうですね。ちゃんと自分のサイズを把握できているというのが、羨ましいです。小さな会社の素敵なところだと思う。
例えば、震災後に会社を立ち上げて新聞とかに載ったりすると、自治体や企業から「こういう予算ありますよ、使いませんか」って紹介があったりしますよね。60代の、ある事業を立ち上げたお母さんなんかは、それをあっさりと断るんです。「でもね、そんなにたくさんいただいても使うこともできないし、経理処理もまた大変なことになるかなと思って。」と言いながら、そこに心がフラフラと行ってしまわないんですね。私たちなんかは、予算を取りに行くことばかり考えていた時期もあるので、考えさせられます。「支援」と言いながら、こちらも学ぶことが多くて。

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