Interview #03
 
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Q. リンゴビール構想誕生のきっかけは?

―それは今、生活できたらいいわ、くらいで始めているわけやけど、そこからリンゴビールにはどうつながるわけ?

谷沿:2012年7月くらいまで僕は外で働いていて、*満福農園さんの建物の工事や未来商店街の工事にも入っていたので、いろんな方にお会いする機会がありました。そこでリンゴ農家さんと出会うんです。札幌でも東京でも同じですけど、友だちになって酒飲んで話していく上で、リンゴでお酒を造るということが浮上してくるんですね。ちょうど8月くらいにいろいろな話をいただいて、その段階で真剣にやってみよう、移住してしっかりとこっちに根を下ろそうと腹をくくったんです。

農家さんと一緒にリンゴの加工作業

―待て待て。なんで、いきなりリンゴのお酒になった?

谷沿:「消費のできるポジティブなものつくれないかなー」って話を中田としていたんです。「地ビールなんていいんじゃね!」「ビールってどうやってつくんだ?」なんてマジ半分、冗談半分で話していて。そうしたら、いつも飯を食いに行く*未来商店街の*Bricks.808というお店でリンゴ農家の跡継ぎ、タカシ君とカツロウ君と出会って「米崎リンゴでビールだ!」てひらめいたんですよね。
しかも、彼らは震災前にもリンゴのお酒、シードルの生産を考えていたというんです。30代の同世代の仲間で「儲け度外視でいい、取れたものを持ち寄ってみんなで何かやろう」と言っていたそうです。でも、震災後は具体的に動くやつがいなくて、話自体が流れちゃったんだと。お店で酒を飲んで、これからのことを語るうち、農家さんができなかったことを、おれが勉強して実現できないだろうかと、真剣に考えるようになって。

写真:谷沿さんと仲間たち左から、タカシさん、タニゾエさん、カツロウさん、中田さん

―最初会った時に、おれは、はっきり言って「大丈夫かな。北海道から来て、リンゴ? ビール? またうさんくさいこと。ほんまにやるのかな」思った。
それで「まず、リンゴを作れよ」と言った。

谷沿:はい。

―ビールはツールの1つよ。だからリンゴをちゃんと作って、リンゴとは何ぞや、農家とは何ぞや、自分の思いは何ぞやときちんと把握して農家の気持ちにならないと分からない。おれはそこからやなと思っている。ビールはやってもいいと思うけどね、そこはどう?

谷沿:その通りです。僕、7月からリンゴのことを勉強し始めたので、まだ全然薄っぺらいと思います。8月、9月、10月はまず基本的な知識を勉強して、そこから作業に入りました。10月、11月は農家さんに通って、いろいろやらせていただいて、毎日リンゴ食って、農家さんと一緒に行動して。農家さんも参加したことがないリンゴの勉強会なるものに「一緒に行こうぜ」と誘って行ってみたり。最初は皆さん、相手にしてくれなかったんですけど、今年になって「虫が付いて、出荷できないリンゴが出ちゃったんだけど」という相談が来たんです。ほんとにうれしかったですね。

―虫が付いて、普通には売れないリンゴ、チャンスやな。

谷沿:そうですね。それから、一緒に取り組んでいる農家さんが、「こいつ勉強しているんだな」と見方が変わってきて、「こういう勉強会に行きたい」とか、「自分もビールの仕込み、行ってみたい」と一緒に勉強を始めてくれたことも嬉しい。僕は僕なりに、いろいろなものを見てきたから、そこのいいところを提案できたらいいなとは思いました。

―なるほど、つながったね。DJとかバーテンダーの経験知を出せるわけや。
リンゴカクテルとかできるやろ。やっぱり自分がリンゴバーをやれ。

谷沿:はい。実は、中田が取り組む『瓦Re:KEYHOLDER』からの流れで、『ハイカラごはん職人工房』という飲食店の計画があるのですが、ここで、バーをやろうと話しています。
「リンゴビール」は、農家さん2人と僕というチームが真剣に勉強するフィールドだと思っています。農家さん2人の事情はそれぞれ違うかもしれませんが、これを真剣に考えて形にしていくというのが僕の役目だし、それはほんとに誰かのためにというわけじゃなく、そこから先は僕のためだと思っています。

―やっと半年たって、おまえのやる気が見えてきた。

谷沿:それ、褒めています?

―褒めているよ。めちゃめちゃ褒めているよ。
おまえのリンゴビールを売るから、うちで。

谷沿:ありがとうございます!

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インフォメーション

りんごエール 陸前高田

米崎産のりんごを使ったリンゴビールが完成。名前は「りんごエール」、「りんゴリラ」という可愛いキャラクターもできた。デザインは震災をきっかけに、名古屋から移り住んだ種坂 奈保子さん。

チラシ画像:りんごエール 陸前高田

 

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