Interview #02
 
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Q. 高田の復興ビジョンに、航空機産業?

―これからは、どういうことに取り組んでいこうとされていますか?

写真:富山さん

富山:やりたいこと、いっぱいあるんです。まずは、リハビリや薬局の事業。お年寄りからプラス思考と笑顔を引き出すためのサービスを充実させたいです。こうしたサービスは、制度のなかで「医療」と位置づけられないのが事業としては難しいところですが、最新の研究でもそれが認知症の予防になることが、わかっています。高齢者の病気を予防することは、国家財政にとって重大な命題だと思っていますので、「予防医療」に関わることは何でもやりたいなと。
あと、もう1つは、前から言っているんですけど、航空機産業です。

―え、航空機産業? 高田に?

富山:4月に*高田の戸羽市長に最初に会った時もご説明しましたし、大船渡の戸田市長にも何度もご説明させていただいています。日本には戦後からのさまざまな法律規制があって、航空機産業がありません。世界、特にアジア諸国での小型機や中型機などの需要はすごく高くて、供給が追いついていない現状なのに残念なことです。日本は航空機の部品を作っているにもかかわらず、需要のある民間航空機を造っていないんです。さらに、航空機は国際法に基づいて、フライト毎に機体を整備・修理をしないといけないのですが、その受託整備会社が日本に1社もないことも問題です。

―え?

富山:びっくりですよね。じゃぁどうしているんだという話ですが、飛行機をパカッと割って、船に載せて、中国・香港・シンガポールなどに持っていって、修理・修繕をして持って帰ってくるという、非常に非効率なことをやっているんです。
日本のバカみたいな法律の規制を取り払うことでビジネスチャンスはすぐ生まれるはずです。航空機産業はすごく大きくて、部品点数が自動車の300倍くらいあるんですね。一方で環境配慮型の自動車が普及すると部品点数が一気に減って、ガソリンエンジン工場の仕事がなくなる。これを航空機ための部品製造に置き換えれば、向こう10年確実に伸びて行くアジアの市場をとらえることができると思うんです。日本経済の起爆剤にもなのではないかと。
被災地は海があるので、「紅の豚」みたいな水上航空機がいいですね。航空障害灯を付ければ、空港を作らなくても、河原だけでも使えます。陸前高田や気仙沼などの沿岸部に基地をつくれば、一関や*平泉にある世界遺産だって川沿いを飛んで、20分くらいで行けるんじゃないかな。観光や海産物の輸送ビジネスと一緒に考えられるということが大きいんです。

―水上航空機、面白いですね。何人乗りぐらい?

写真:西村さん

富山:多くても20人乗りくらいですね。イギリスとギリシャとデンマークが、2004年くらいから、水上航空機専門の航空会社をつくっているんですけど、業績は右肩上がりです。飛ぶ度にメンテナンスが必要なので、メンテナンスの企業も地元に作って部品の集積もそこでできれば、雇用創出効果も絶大です。

―陸前高田の仕事はいつまで続けていく予定ですか?

富山:航空機産業も含め、自分が描いているビジョンの枠組みづくりができるまではライフワークだと思って、最後まで続けるつもりです。せっかく助かった方々の命が、できるだけ幸せに全うできるよう、そのときまで取り組み続けていきたい。まず1つ、助かっている命を助けるということ。もう1つは、東北から新しい日本をつくって行くこと。2万人近くの方々が亡くなられ、行方不明にもなっている、そうした命に対して、これがあったから、こういう国になれた、という日本をつくっていかないと申し訳が立たないと思うんです。

―中3の時の自分が今の自分を見たら、どんなふうに感じるでしょうね。

富山:「もうちょっと頑張れよ」というふうに。「もう、おまえ、おっさんじゃないか。何生きているんだよ」と思われているでしょうね。坂本龍馬は事を成して34歳で死んでいますからね。

―「もうちょっと頑張れよ」と言われるんだ!(笑)

富山:「何もやっていないね、おまえ」と言われそうです。
「何もやってないよ」「やかましわ!」という話で。(笑)

―今日はどうもありがとうございました。

富山さんと西村さん

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富山さんのとうごう薬局はこのあたりでした

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プロフィール

富山 泰庸(とみやま よしのぶ)

ロッツ株式会社 代表取締役

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西村 佳哲(にしむら よしあき)

リビングワールド代表
プランニング・ディレクター、働き方研究家

プロフィール

 

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